「素人っぽい」から脱却。デザイン初心者はまず文字について詳しくなってみませんか

「素人っぽい」から脱却。デザイン初心者はまず文字について詳しくなってみませんか

作るデザインが垢抜けない・やぼったい・素人っぽいと自分で思ったり、人から言われたことはありませんか

精一杯作ったデザインのはずなのに、自分自身にしろ、他の人からもそんな評価をされると悲しいですよね。

デザインを形づくるものは、情報整理、レイアウト、色、文字、画像加工、あしらい等など細かく分けて見ていくと幅広い分野にわたっています。

デザイナーを始めた頃は、それぞれの分野で求められる基準に、自分のスキルが追いついていないものが複数あるものではないでしょうか。

ステータスがこういう感じだといいけど
はじめは仕方ないよね

デザインスキル向上のために何から手をつけるといいか

全ての分野のクオリティを急に一気に上げるのは難しい

多種多様なデザインを求められる中、幅広い分野で安定したクオリティでデザインするためには、それだけの知識と経験が必要です。

十分なスキルを身につけるには時間をかけて継続していく必要があります。

じゃあ何から手をつけると効率がいいか

おすすめは「文字(書体、フォント)の扱い」です。

自分の経験、また新人さんを見てきた経験からも、はじめの段階では文字(書体、フォント)の知識やその扱いについて重点をおいて学習することをおすすめします。(他の分野の習得の努力もしつつという前提ですが)

なぜ文字(書体・フォント)をやるのか

文字は必ず目につく

文字はデザインの印象を作る大きな要素のひとつ。
他の要素がそれほど悪くなくてもフォントの扱いに違和感があると、素人くささがプンプン漂ってしまものです。

だめな例

例えばこれ。文字はデフォルトの設定で打ちっぱなしです。こういう感じわりと見かけるような気がします。

だめな例
デザインの基本「揃える」ができていると言えないこともないが…素人っぽさがかおる。

文字の扱いを調整した改善例

以下は、テキスト部分のみを調整したデザインです。
改善前、後どちらもゴシック体を使い、文字の太さの関係も大きく変えていませんが、こちらの方が目につきやすく、しっくりきませんか?

文字の扱いを調整した改善例

書体の選び方や文字の組み方を少し変えるだけで見た目の印象は大きく変わります。

比較的習得しやすい

色やレイアウトよりは、ということではありますが…書体は既に書体デザイナーが美しくデザインしたものです。

フォントに関する書籍も多くありますし、印刷物など普段の生活の中に優れた教材を目にすることができます。
奥深い分野ではありますが、基本的な書体の扱い方は勉強しやすい環境が整っているように個人的には感じます。

もともと美しい書体の良さが、さらに引き立つようテクニックを身につけましょう。

どうやって身につけるのか

書体の選び方、並び方を観察する

本、ポスター、メニュー表、ちらし、Webサイトなど身の回りにあるものの書体の選ばれ方、文字組みなどを注意して観察してみましょう。

まず全体を見てどんな印象を受けるデザインなのか把握し、次に文字の扱われ方を見ていくといいと思います。

日常的に目に入るものを見て、どんな書体の選ばれ方、使われ方をして、そのデザインの印象が作られているのか観察します。良い見本、悪い見本どちらも勉強になります。

文字(書体・フォント)の種類、なりたち、ルーツを知る

フォント名に「UD」や「P」がつくものつかないもの、セリフとサンセリフの違い、今これらについてピンと頭に浮かびますか?
もし意味がわからなければフォントのことについてもっと勉強してみる価値があると思います。

そのフォントが作られたルーツも知ることで、今後の制作のフォント選びについて変わってくるかもしれません。

フォントの扱いについては専門書でしっかり学ぶのがおすすめ

自分が実際に読んだおすすめ本をご紹介します。ただ、かなり昔に読んだものなので絶版しているものもあります。
ごめんなさい。

新しい本でわかりやすいものもあるかもしれませんが、以下のリンク先で内容がちらっと見えるものがあるので、良い本探しの参考になれば幸いです。

「文字を使ったデザインレイアウト」というようなテーマの本は結構あると思いますが、文字そのものの構造や組み合わせ方について触れられた本も一冊は読んでみることを強くおすすめします!

タイポグラフィの基本ルール -プロに学ぶ、一生枯れない永久不滅テクニック-

紹介する中ではこの本が一番のおすすめです。

基礎となる幅広い情報が非常に良くまとまっていて、今もおすすめできる本です。和文、欧文どちらの情報にも触れられています。
紙の本は残念ながら絶版しているようですが、Kindle版があります。

デザイン解体新書

文字の扱いこそ歴史あるDTP向けの書籍が役立つように思います。

この本の内容はまさしくDTPデザイナー向きですが、読むとフォントの字面の違い、文字の組み方、混植など注意すべきことについて気付かされます。

制作会社に所属してWebデザイナーとして先輩にチェックをしてもらう立場であっても、文字についてここまで細かい説明をしてもらえることはないのではないかと思います。

なお本の構造やレイアウトについての説明もページの多くを割いて説明されていますが、そこにはWebデザインに言及されたものはありません。

欧文書体

これはフォント沼にはまった人向けの本。

各欧文フォントの歴史や選び方、特に「恥をかかないための組版ルール」では、歴史ある欧文体の基本ルールを知らないことで犯してしまう恥ずかしいミスについて触れられています。

最初の一冊にはおすすめしませんが良い本だと思います。(ただ中のレイアウトはちょっと読みにくいんですよね…)

きれいな欧文書体とデザイン名作書体の特色とロゴづくり

絶版していますが、お気に入りの良い本でした。

歴史、読み方、書体の特長など解説されています。
掲載されている欧文書体の数自体は多くはないのですが、代表的なものがとりあげられており、特に書体特有のクセがわかりやすく、手元に置いてよく書体選びの参考にしていました。

ロゴのつくり方についても少し触れられています。絶版ですがどこかで目にする機会があればぜひ読んでみてください。

良い文字組みのデザインを模写する

バナーやWebサイトのメインビジュアルを模写対象とするのがおすすめです。

特にバナーは文字が情報の主体になっているものが多く、限りあるスペース内で情報整理されたテキストが並んでいます。

また、新人が初めに任される仕事はバナーになることが多いものです。実践にも役立つはずです。
個人的な好みを問わず、いろいろなテイストのものを模写してみるといいですよ。

模写対象を探すのに良さそうなWebサイト

以下記事でおすすめのバナーギャラリーサイトについてまとめていますので、参考にしてみてください。

バナーではなくメインビジュアルならこちらのサイトを見てみるのも良いかもしれません。

トレースするときのポイント

以前の記事でデザインのトレースについて気をつけたいポイントなど書いています。
ぜひこちらも見てみてくださいね。

Webデザイン上達への第一歩。文字に強くなろう

Webデザインのために学ぶことは広範囲にわたりますが、文字に関する知識はこの先ずっと使えるのでぜひ早めに取り組んでみてくださいね。

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